2003年に放送された『冬のソナタ』から始まった第一次韓流ブーム。それから20年以上が経ち、韓国ドラマは今、恋愛だけでなく、復讐・サスペンス・ファンタジー・時代劇などさまざまなジャンルで進化を遂げています。
そして、私たちの生活の中に動画配信サービス(VOD)が浸透したことで、より多くの作品に触れられる機会が増え、従来の韓流ファンに加えて新たな視聴者層も巻き込み、定着しつつあります。
VOD STREAMでは今回、10代〜50代の男女9,617人を対象に韓国ドラマに関する大規模アンケートを実施。韓国ドラマを楽しんでいる人の割合や人気ジャンル、推しドラマ、今後の注目作、さらには“満足度が高い配信サービス”まで──視聴者の本音を徹底的にデータで紐解きます。


韓国ドラマファンは今、どこにいる? 人気ジャンルから推し作品、VODサービスまで徹底調査!
最終更新日:2025年06月12日

約5人に1人が1年以内に韓国ドラマを視聴、30代男性で28.7%、女性とほぼ並ぶ
10代~50代の男女9,617人を対象に、過去1年以内に「動画配信サービス(VOD)で韓国ドラマを観た」と答えた人は、全体の22.8%。約5人に1人が韓国ドラマを楽しんでいる計算です。

年代別に見ると、最も視聴している割合が高いのは30代(28.9%)で、続いて20代(27.8%)、10代(23.3%)と、30代以下ではいずれも2割を超えていました。若い世代の方が比較的高いことから、世代別による動画配信サービスの利用状況も影響していると考えられそうです。

性年代別でみると、さらに注目すべきは30代男性です。視聴率28.7%と、同世代女性の29.2%とほぼ並ぶ結果に。性別を問わず韓国ドラマが広く浸透している実態が明らかになりました。

近年の韓国ドラマは、恋愛中心の作品から社会派サスペンス、ファンタジー、時代劇まで幅広いジャンルが制作されており、多様な視聴者のニーズに応えています。こうした視聴作品の多様化により、従来は“女性中心”だったイメージから、いまや全世代・全性別に届くコンテンツへと広がりを見せていることが分かります。
では、実際に視聴者はどのようなジャンルを好んでいるのでしょうか。
サスペンス&ホラーが人気! 男女で分かれる"推し"ドラマ
1年以内にVODで韓国ドラマを視聴すると回答した2,196人に、好きなジャンルを聞いたところ、1位は「大人のラブストーリー」(1,068人)、2位は「胸キュン恋愛ドラマ」(967人)と、恋愛系が上位を占めました。
近年の韓国ドラマブームを引っ張った『愛の不時着』や『太陽の末裔』をはじめ、恋愛ドラマが韓流の代名詞的存在だったこともあり、恋愛系ドラマが根強い人気を誇っていると考えられます。
王道ジャンルに続く形で、サスペンスやホラーの人気も高い結果となりました。「サスペンス・復讐劇」は941人と、上位2ジャンルとの差も少なく、最近の話題作に見られる“緻密な復讐劇”や“スリラー要素”が支持を集めていることが分かります。

また、この結果を男女別で比較すると、好みのジャンルに違いがあることが分かりました。
男性でも恋愛系は人気ジャンルに選ばれていますが、「胸キュン恋愛ドラマ」が298人(32.6%)に対し、女性は669人(52.2%)であることから、ときめき要素を重視する割合はあまり多くないようです。

一方で、「サスペンス・復讐劇」は男性377人(41.2%)、女性564人(44.0%)、「社会派ドラマ」は男性288人(31.5%)、女性330人(25.7%)となっており、割合でみると男女差が少なく、性別を問わず幅広く支持されています。
この傾向は、『イカゲーム』や『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』といったサスペンス・スリラー作品が世界的ヒットを記録し、これらの作品が韓国ドラマの新たな魅力として認知され、現在のトレンドを牽引しているとも言えるでしょう。
好きな韓国ドラマは? 3位「ペントハウス」、2位 「涙の女王」、1位は意外なあの作品
人気のジャンルに続いて、好きな作品を調査した結果がこちらです。
3位の『ペントハウス』は、ドロドロの展開がクセになる“マクチャンドラマ”の代表格。貧富の格差や激しい受験戦争など韓国の社会問題も鋭く描かれており、スリルを求める視聴者を虜にしています。
2位『涙の女王』は、韓国で歴代視聴率1位を記録。夫婦の愛を描いたラブストーリーながらも、脚本・演出・キャストの三拍子が揃い、幅広い層に支持されました。
1位に選ばれた『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』は、Netflixオリジナルとして世界91カ国でTOP10入りした名作。高校時代に受けたいじめの加害者への復讐を描いた緻密なストーリーと、主演ソン・ヘギョの圧巻の演技が、国内外のファンの心を掴みました。

TOP10の作品を見渡すと、復讐劇やサスペンス要素の強い作品が並び、『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のいじめ問題、『ペントハウス』の教育格差、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の多様性理解など、現代社会が抱える課題を正面から描いた作品が高い支持を集めていました。
また、恋愛・サスペンス・ホラー・社会派・青春・ファンタジーなど複数要素を巧みに組み合わせることで、「恋愛ドラマは苦手」という視聴者も引き込み、韓国ドラマファンの裾野拡大につながっていると考えられます。
「次に観たい韓国ドラマNo.1」は世界的大ヒット作の最終シーズン!
これから観たい韓国ドラマとして最も票を集めたのは、Netflixの世界最多視聴記録を塗り替えた『イカゲーム』シリーズの第3作目。
2位には5月から配信中のロマンティックヒューマンドラマ『未知のソウル』、3位には6月からNetflixでも配信開始し、2022年に韓国国内最高視聴率となった『財閥家の末息子~Reborn Rich~』がランクイン。復讐・陰謀・社会派の要素を含んだ“大人向けエンタメ”に期待が集まっています。
『イカゲーム3』のように、世界的なヒット作の続編への期待値の高さは、韓国ドラマのグローバル規模での人気を裏付ける結果と言えるでしょう。

続けて、倍速で視聴する頻度をたずねた結果、「毎回倍速で視聴する」が20.1%、「ほとんど倍速で視聴する」が32.0%だったことから、Z世代の半数以上が日常的に映画を倍速で視聴していることが明らかになりました。
30代男性が韓国ドラマに惹かれる理由
今回の調査で特に目立ったのは、30代男性の韓国ドラマ視聴者の多さでした。従来の韓国ドラマは純愛ロマンスが主流で、主な視聴者層は女性でしたが、今回の調査結果から分かる通り、その状況は大きく変化しています。
視聴率が最も高かった30代男性に韓国ドラマが人気の理由は、いくつか考えられます。
1つ目は、圧倒的なクオリティとスケール感です。韓国ドラマの制作費は日本国内と比べて非常に高く、映画並みのクオリティを実現しているため、男性視聴者が求める迫力とスペクタクルが味わえる作品が豊富にあります。
2つ目は、社会派テーマへの共感です。30代男性が韓国ドラマに惹かれる理由は、現代社会の課題を正面から力強く描いた社会派作品の存在。経済格差や教育競争、パワハラ問題など、身近な課題をリアルに描く作品は、単なるエンターテインメントを超えて、現代社会への問題提起として受け止められ、共感が集まっていると考えられます。
3つ目は、ジャンルの融合です。現在の韓国ドラマは、多様な要素が組み合わさっています。こうした1ジャンルに収まらない構成が、ドラマの世界に自然と引き込まれる要因になっているのではないでしょうか。
30代男性を中心とする視聴者層の拡大は、韓流コンテンツの新たな可能性を示しており、今後も社会派要素の強い作品が増加することで、この傾向はさらに加速すると予想できます。
韓国ドラマ好きの動画配信サービス選びに見る"こだわり"の違い
さまざまな作品を楽しむ韓国ドラマ視聴者にとって、利用されている動画配信サービスはどれなのか。最後に、韓国ドラマを視聴する際に利用する動画配信サービスとその満足度について調査しました。
アンケートの結果、利用者数では「Netflix(453人)」が首位、続いて「Amazonプライム・ビデオ(398人)」、「 U-NEXT(203人)」でした。

さらに、この結果を男女別で見てみると、女性は全世代で「Netflix」が1位なのに対し、男性は10代20代が「Netflix」、30代以上は「Amazonプライム・ビデオ」が1位でした。
Netflixは作品の質・量ともに圧倒的。特に女性からの支持が強く、"韓ドラを観るならNetflix"という定番化が進んでいると言えるでしょう。
一方、男性では「Amazonプライム・ビデオ」利用者が多い結果となりました。2つ以上のサービスを併用している人を含みますが、全体の傾向としては、プライム会員向けの配送特典や音楽サービスなど生活全般のメリットを求めつつ、韓国ドラマも楽しんでいる人が多いと考えられそうです。
そして興味深いのは、10-20代男性はNetflix派である点です。これは、SNSでの話題性や同世代との価値観の共有を重視する傾向が影響しているのではないかと考えられます。

また、利用中の動画配信サービスの満足度で1位に選ばれたのは「Netflix」。韓国オリジナル作品の豊富さと高品質が評価された結果だと言えます。
注目すべきは2位の「ABEMAプレミアム」。利用者数は少ないながらも満足度が高い結果となりました。無料配信作品もあり、日頃からオーディション番組や韓国アイドルのバラエティ番組なども扱っていることから、韓国エンタメファン層を拡大しているのではないでしょうか。
3位は「Amazonプライム・ビデオ」。Netflixと比較すると、韓国ドラマのラインナップは少ないですが、プライム会員は追加料金なしで利用できるため、最新作に限らず良作のヒット作品を楽しむ層にとって満足度が高いと考えられます。
4位の「Mnet Smart+」は利用者数では最下位でしたが、音楽番組などの韓国エンタメに特化した配信ラインナップで、ディープなファンからの支持を得ているようです。

韓国ドラマは“深化と拡張”のフェーズへ
今回の調査を通じて見えてきたのは、「韓国ドラマは今、誰にとっても刺さる存在になっている」ということです。多様な視聴者層に支えられた韓国ドラマは、作品の多様化がさらに進み、今後も私たちに新たな感動と驚きを提供し続けてくれるでしょう。
調査概要
調査名:韓国ドラマに関する視聴実態調査(2025年)
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社ジャストシステム
アンケート実施日 2025年6月4日~6月8日
性別
男性:4,650人
女性:4,967人
合計:9,617人
年齢
15~19歳:1,398人
20~29歳:2,201人
30~39歳:2,064人
40~49歳:2,019人
50~59歳:1,935人
※本アンケート結果は小数点以下任意の桁を四捨五入しているので、合計が100%にならない場合があります。
本データの利用条件
1 情報の出典元として、「VOD STREAM(ブイオーディーストリーム)」の名前を明記してください。
2 出典元として、以下のURLへのリンクを設置してください。
https://vod.app-liv.jp/archive/154858/
3 調査結果データについて、加工・改変は許可いたしません。
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